車輪の下

車輪の下 (新潮文庫)

 救いがない世界は恐ろしい。救いが欲しくても得られないから。一心不乱に物事に打ち込むことは良いことだと思う。でも、惑わされることは悪いことなのか? 引き返すことが出来ない「道」だからこそ、少しは救いが欲しいと思ってしまう人間は弱いのか? ……この小説に関する知識はほとんどないけれど、案外そういう「弱い人間」を描き出すことが主題の作品なのかも知れない。そんなふうに言うと陳腐にも聞こえてしまうけど。