街場の現代思想

ウチダ先生のおっしゃることはものすごく身に沁みて分かる。自分が考えていることとかなり相性が良い。ただ、先生と自分が違うところは、ここまではっきりと言い切ることが出来るか出来ないか、という点にある。まだ修行不足ということか。本の内容に関して…

鉄鼠の檻

舞台は冬の箱根。僧侶の連続殺人が起こる。寒いのは苦手なのに、こういうシチュエーションは好きで、ぞくぞくする。京極作品は一つの物語が長いというだけでなく、情報量も多い。しかしそれを編集する技術が素晴らしい。日常にはないけれど、日常のすぐ延長…

車輪の下

救いがない世界は恐ろしい。救いが欲しくても得られないから。一心不乱に物事に打ち込むことは良いことだと思う。でも、惑わされることは悪いことなのか? 引き返すことが出来ない「道」だからこそ、少しは救いが欲しいと思ってしまう人間は弱いのか? ……こ…

リトル・バイ・リトル

理由は分からないけれど、ぐいぐいと惹きつけられてしまう物語がある。同じ作者の他の本も数冊読んでみたけれど、強く惹きつけられたのは本書だけだった。どれもあるようでないような、想像と現実が微妙に混ざり合った作品群であったように思う。それなのに…

風の歌を聴け

その本に合わせた読み方というものが、やはりあるように思う。この薄い本は毎日少しずつ、一ヶ月くらいかけて読むのが合っているのではないか。それもおそらく夏が良い。日が暮れる頃、やることもなくなって、「まあ、本でも読むか」と手を伸ばす。夏も終り…

坊っちゃん

「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」という一文からこの物語は始まる。損ばかりしているのは性格的なものが原因である。そういう性分だから損をしても仕方がないと言うのだ。いわゆる、文学的性格の主人公によくあるような、深みに嵌って行…

竜馬がゆく

物事が成るには条件がある。必然的な、論理的な、あるいは力で勝ち得たような「正しさ」だけでは成り立たない。「5W1H」というものがあるが、中でも「いつ」、「誰が」という二点が重要であると思う。筆者は「幕末のこの時期に」、「竜馬が」いたから、…

ライ麦畑でつかまえて

何度も読み返しているけれど、やはり印象に残っているのは冒頭の部分で、ホールデンの感じている現状に対する居心地の悪さや、周囲の人への酷評ぶりに痛快さを覚えてしまう。あとどれくらい、それを「痛快」と感じられるのか、と時々思う。いつまでも覚えて…

十角館の殺人

ミステリィにおいて「衝撃的な結末」には様々な解釈があり得る。意外な犯人、意外なトリック、意外な動機等がすぐに思いつくところであるが、綾辻作品の衝撃というのは「だまし方」の見事さにある。「まさかそんな……!」という衝撃である。そこへ至る物語の…

二百文字の読書感想

とブログタイトルを改めることにした。あまり長々と書いても仕方がないし、短過ぎても意味不明だったりする。200文字というのに根拠はないが、最近流行りのTwitterなんていうのも一度に書けるのは140文字くらいらしいし、400字詰原稿用紙で丁度半分だし、ま…

たったひとつの冴えたやりかた

たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1987/10/01メディア: 文庫購入: 39人 クリック: 617回この商品を含むブログ (265件) を見る最後まで読んだら、良い話じ…

スパイのためのハンドブック

スパイのためのハンドブック (ハヤカワ文庫 NF 79)作者: ウォルフガング・ロッツ,朝河伸英出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1982/03/30メディア: 文庫購入: 16人 クリック: 107回この商品を含むブログ (68件) を見るスパイになるつもりはないが、ためにはな…

異邦の騎士

異邦の騎士 (講談社文庫)作者: 島田荘司出版社/メーカー: 講談社発売日: 1991/12メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (27件) を見る御手洗潔ってこんな性格だったかな? やはり文章で何か仕掛けて来る。

誰も知らない世界と日本のまちがい

誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義作者: 松岡正剛出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2007/12/20メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 10人 クリック: 96回この商品を含むブログ (78件) を見る世の初めに隠されていること、というのは…

邪馬台国はどこですか?

邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫)作者: 鯨統一郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1998/05/24メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 114回この商品を含むブログ (161件) を見る非常に想像力に富んでおり、尚且つ説得力のある「邪馬台国はどこですか?」…

月山

月山作者: 森敦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1974/03/07メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (7件) を見る月山と言えば、アスピーテ。それはともかくとして、不思議な魅力。冬の生活、山の生活。

仮面の告白

仮面の告白 (新潮文庫)作者: 三島由紀夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/06メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 190回この商品を含むブログ (207件) を見る比喩がいちいち面白い。

国家の罠

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて作者: 佐藤優出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/03/26メディア: 単行本購入: 20人 クリック: 283回この商品を含むブログ (322件) を見る何も知らないままだった私に「国家」というものを教えてくれる。

1日1時間 1週間でわかる図解日本史

1日1時間・1週間でわかる図解日本史 (サラ・ブックス)作者: 楠木誠一郎出版社/メーカー: 二見書房発売日: 1999/10メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る日本史を学んだことのない人には良い。

マルタの鷹

マルタの鷹 (創元推理文庫 130-2)作者: ハメット,村上啓夫出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 1961/08/25メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (18件) を見る舞台劇を観ているかのような。

物語の体操

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)作者: 大塚英志出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2003/04メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 138回この商品を含むブログ (139件) を見るみるみる書けそう。

木島日記

木島日記作者: 大塚英志出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2000/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る丁度、現在の興味と合致した内容で面白かった。

日本の「岐路」

自滅からの脱却は可能か 日本の「岐路」作者: 中西輝政出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/05/19メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (17件) を見るこの「岐路」をよくよく認識して、最善を尽くす努力をしなければ日本人ではない。

早稲田古本屋日録

早稲田古本屋日録作者: 向井透史出版社/メーカー: 右文書院発売日: 2006/02メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 58回この商品を含むブログ (51件) を見る素朴でありながら、なんと鮮やかであることか。

知的ストレッチ入門

知的ストレッチ入門―すいすい読める書けるアイデアが出る作者: 日垣隆出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2006/09メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (107件) を見るそうだよなぁ、と思うだけでは駄目なのだ。

図解入門よくわかる高校数学の基本と仕組み

図解入門よくわかる高校数学の基本と仕組み作者: 小島淳子出版社/メーカー: 秀和システム発売日: 2004/07/30メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (4件) を見る高校数学を思い出そうと思って。

上司は思いつきでものを言う

上司は思いつきでものを言う (集英社新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2004/04/16メディア: 新書購入: 1人 クリック: 76回この商品を含むブログ (184件) を見るとても厳しいことでもある。

「わからない」という方法

「わからない」という方法 (集英社新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/04/17メディア: 新書購入: 9人 クリック: 62回この商品を含むブログ (105件) を見るけらけら。

組織を強くする技術の伝え方

組織を強くする技術の伝え方 (講談社現代新書)作者: 畑村洋太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/12/19メディア: 新書購入: 8人 クリック: 61回この商品を含むブログ (81件) を見る長年、組織というものを運営していると、これは大事と思うものはやはり…

ちゃんと話すための敬語の本

ちゃんと話すための敬語の本 (ちくまプリマー新書)作者: 橋本治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01/01メディア: 新書購入: 8人 クリック: 61回この商品を含むブログ (62件) を見るやさしい言葉でここまで書ける。