鉄鼠の檻

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

 舞台は冬の箱根。僧侶の連続殺人が起こる。寒いのは苦手なのに、こういうシチュエーションは好きで、ぞくぞくする。京極作品は一つの物語が長いというだけでなく、情報量も多い。しかしそれを編集する技術が素晴らしい。日常にはないけれど、日常のすぐ延長にあるようなところを易しく説いてくれるみたいで。こういう情報がエンタテイメントとして編集されて、多くの人に読まれているというのは、好ましい一面もあると思う。