夫婦茶碗
- 作者: 町田康
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2001/04/25
- メディア: 文庫
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単純に笑えるという「面白さ」だけを取ってもここまで書ける作家はそうそういない。しかもそれがメインではないのだから恐れ入る。
「面白さ」は「おかしさ」であり、「おかしさ」は「狂気」に繋がる。世界観とか登場人物などがみんな狂っているのだけれども、一番狂っているのは言語であって、町田康の作り上げる「文学」そのものが狂っている。これは褒め言葉である。
狂った言語で正当な論理を駆使し、世を風刺し、諧謔し、しかし格好つける訳でもなく転がり落ちて行く主人公たち。見ていて面白く、そして恐い。